これは何でしょう


 これはある高級機種のフォーカルプレーンシャッターユニットです。見ただけで判る方は相当なマニアでしょう。先日メーカーや修理業者を部品が無いので修理不能とたらい回しされた機械をジャンクとして手に入れたものですが、どうせコンデンサーの容量抜けでも起こしたんだろうと思い持ち帰り、早速開けてチェックをしたら電気的には異常はなく結果的にここまで分解しないと修理できない状態でした。原因は、何とシャッターのチタン製後幕が、通称ふんどしの腰の部分の金具から綺麗に抜けておりました。この機種は意外と短い期間で製造が中止されております。おそらく、メーカーがチタン幕横走りのシャッターの製造に慣れていなくて、この手の故障が多発でもしたので早期に製造を打ち切ったのではと疑っております。その後しばらくは中級機一種類だけの時代が続き、やっとこの後続高級機が出たのはずいぶんと時間が過ぎてからでした。おそらくN社やC社でも最初はこの手のトラブルがあったのでは無いでしょうか。でもなぜ部品が無いと言ってきたのか、たぶんここまで分解して直すとなると時間がかかるわりに修理代が取れないのか内部を解る人材がいない。または、昔の機械なのですでに直せる人材が会社に残っていない。修理業者とすると前者。メーカーとすると後者と言う事ではないでしょうか。最もメーカーの技術者にしてみればこのシャッターユニットをアッセンブリ―で交換すれば済んだだけでしょうし。すでにこの機械を作った会社は別な会社に吸収合併されて消滅したも同然。ブランドは残っていますが現在は別物と考えた方が良いでしょう

大きく分けてこのように3つのユニットになります

シャッターの修理後ユニットを組み込みました

真上から見るとこうなります

前板部及びミラーボックスユニットを取り付けました

 この時、ちょっとコツが必要になります。上の真上からの写真中央部下に黒く写っているレバーがありますが、これがこの位置ですとせっかく組んでも動作不良になりますし、強引に組むと部品を変形させる恐れがあるだけでなく、メカニカルシャッターが使えなくなります。レバーは、バネでその位置に停止するようになっていますので、ボディーの下から爪楊枝や竹串等で移動するようにしてから前板とミラーボックスのユニットを取り付けるようにすると良いでしょう。

コンタックスRТSUでした。


戻る