マイコン使用のシャッタースピードテスター

カウンター用 I C の入手が難しくなってきており、作ってほしいという方の要望に応えられなくなって参りましたので
マイコンを使用したシャッタースピードテスターを製作しました。

マイコンは、入手がしやすいルネサステクノロジのH8シリーズ3694です
日立フラッシュマイコンH8/3694(ROM32K/RAM2K)20MHZ動作使用

マイコンですから買ってきてつなげばすぐ動作するとは考えないでください
パソコンでも同じですが、コンピューターである以上は、動作させる為のプログラムの開発と書き込みが必要です

PICマイコンでの製作を考えましたが、割り込み処理の数やRS232Cを使ってデータを外部に出す事を考えるとH8シリーズ
のほうが使いやすいので決定しました

表示はLCDだけでは物足りないのでRS232C経由でパソコンでも確認出来るように(エクセル等でデータを加工できるように)

マイコンを使う以上は幕速だけでは無く、シャッタースピードも計算させて表示する (以前より希望が多いため)
(mS表示では無く、1/18.6とか1/202という具合に直読出来れば換算表が必要なくなる)

表示部には、20桁×4行LCD(液晶)キャラクターディスプレー、バックライト付。 
        又は、VFD(蛍光表示管)モジュールを使用する

レンズシャッターの計測も可能にする(但し、露出計非連動機、又は、AEを切り離してマニュアル操作の出来る物が対象。
シャッタースピードに関係無く、絞り値又は開放F値 F4、0まで保証する。ただし簡易測定方となります。なぜ簡易測定かに
関しては本文に記載します) 

以前の機械のようにシャッターが縦走りでも横走りでも計測可能とする

計測データは10μSでサンプリング。マイコンの処理能力と高速シャッタースピードになるほど増える誤差をマイコンに計算
させて表示する事を勘案して、対象がクラシックカメラのため 1/1000 秒までの計測精度が確保出来るようにする。
(それ以上のスピードは、誤差が増えるので表示はしても精度保証対象外とする)

以前の機械では(測定機1参照)、光源部に電球を使用したが、発熱を抑えるため高輝度LEDを使用する


上は開発中の写真です

この位余裕があると、コンパクトに組み立てて電池で駆動することも可能です
但し電池を取り出すのを忘れて電池の液漏れを起こし、内部を破壊しては何にもなりませんので、今回も
内臓電源でAC100Vの駆動としました。


パソコン画面上の表示状態 VFD(蛍光表示管)使用機
視認性がぐっと良くなります
フィルターにて表示色変更可
VFD使用機の後部です
6×6、645にも対応のため
スイッチが1個増えました

              VFD(蛍光表示管)に関してはhttp://www.noritake-itron.jp/を参照ください

測定機の操作性を重視すればスイッチ類はなるだけ前面に持って来たい所なのですがシャッターのチャージや
レリーズすることを考えると、カメラ側の操作性を重視しなければなりません。シャッター形式の切り替えは頻繁
に行う事でもないので、あえてリアパネルに切り替えスイッチをつけました。フロントパネルは、測定前のリセット
やエラーが出たときに必要となる、リセットスイッチと電源スイッチのみとしました。

※645や66で使用の場合、マウント径の関係でこの機械の光源が使えない機種も出てきます。この場合別途
 光源をご用意ください。乳白色半透明アクリル板と60W〜150Wのレフランプがあれば簡単に作れます。
 簡易にやるのであれば、電気スタンドでレフランプを点け、アクリル板を前後に動かし、照明ムラの無い所をさが
 してやるだけです。(通常電球ではなく、レフランプ。ビーム特性を持った電球でガラスにホワイト処理があるもの)

受光素子のバラツキについて

こういう測定機において 「一番大事なのは何だ」 と皆さんはお考えでしょうか。
巷ではこの問題を無視している(解からないでいる)方たちもたくさん居ます。電子部品を買ってきて作ればどれで
も同じに出来ると考えている方。あなたがそうなのです。
どういう事かといいますと、きちんとした測定機メーカーなら必ず行っている素子の選別を怠っていると言うことで
す。半導体素子は同じ型番のものでも性能に微妙な差が出ます。メーカーの出荷規格の上限と下限の個体差を
比較したら、この様な測定機に使用した場合とんでもない誤差となって表われてしまいます。

私はその為に同じ受光素子を100個入手してチェックしました。以下に詳細を記しますが、電気的な話でカメラ修
理には直接関係ありません。測定機という以上どうしても無視できない部分なのであえて記載します。興味のな
い方は読み飛ばしてください。

シャッター試験機で一番大事な部分はなんと言っても受光素子です。計測する他の部分、例えばクロックなどはT
CXO等を使用すればnS(100万分の1の更に1000分の1)の誤差も不可能では有りませんが、受光素子からはどう
しても時間の遅れが生じてしまいます。立ち上がり、立下りの時間遅れの短いフォトダイオードを使えればよいの
ですが、感度が必要なのでフォトトランジスタを使わなければなりません。これを使う以上無視することが出来ない
位の時間遅れを生じ、それがそのまま誤差になります。

カタログデータにはその値が載っていますが受光素子個々のばらつきがあります。 しかも使用目的が連続した信
号ではなくワンパルスに等しいシャッターからの入射光が信号です。どの程度時間遅れが生じるかは実際に信号
を入れて1個1個実測してみなければ分からないのです。シャッタテスターのための計測器を作ったのも実はこの
ためだったのです。(テスターの為のテスター。これに関しては一番最後に記しました)

測定は次の方法で行いました。

TCXO (通常の水晶発信ではなく、校正された高精度水晶発信) を元に1mS幅の単パルスを作り、LEDを光らす。
その信号の立ち上がりをシングルスイープのトリガとし、2現象シンクロのCH1に正確なパルスを、CH2に受光素
子の出力をそれぞれ入力信号とし観測する。

計測パルスを1mS幅としたのはフォトトランジスタに充分にキャリヤを蓄積させたかったからと、1000分の1を一つの
目標にしたかったからです。この時間が短いとフォトトランジスタに充分にキャリアを蓄積する前にoffするので立下り
の時間は短くなります。
光源を弱くすれば立下りの時間遅れは短くなりますが、今度は立ち上がりの時間が長くなってしまいます。実際はこ
れより遥かに長い時間光が入ってきますが、1mS程度の時間が有れば充分にキャリアが蓄積されています。

計測の結果、一定以上の光源(LED)の強さが有れば立ち上がりのばらつきはそんなに出ませんでしたが。光源の強
さのせいで立下りはかなりばらつきました。結局100個の受光素子から立ち下がりの短い物を選び、更に特性のそろ
っている物を見つけ出したところ36個が残りました。約1/3です。(後の64個は・・・・・・・・)
パーツ販売店でも50個や100個単位で仕入れていますから、あなたが買った1個がどれに該当するかは解からな
いということです。つまり計測表示は出来ても信頼性は・・・・・・・。まあ目安にはなりますが、自己満足という程度。

私がこの問題に気づいたのは、以前の7セグメントLEDの機械を試作中です。センサーの向きを逆にして測定すると
あまりにも出てくる測定値に差がありすぎるのです。計算値の換算表と照らし合わせてもシャッタースピードで1段〜
1.5段違ってきました。例えば1.5段異なれば60分の1秒を中心として見るとそれが上下1/22.5〜1/187.5の
中のどこかということです。計算した数字の上では1000分の1秒出ていても果たして本当なのかということになります。
受光素子の選別。つまり同一多数の中から特性の良い物を選択して、なおかつ個々の立ち上がりと立下り性能をそ
ろえて使用しなければいけない。これを怠っていてはせっかく製作してカメラを測定しても意味が無いと言うことです。

このようにしたのは次の理由からです。先幕を計測するのは初めの受光素子に光が入ってから次の受光素子に光が
入るまで。後幕を計測するのは初めの受光素子の光が消えてから次の受光素子の光が消えるまで。ですから立ち上
がりと立下りの時間遅れがあっても同一であれば計測結果は正しい値を示します。

ところがこの時間がばらばらでは計測結果は正しい値を示さなくなり誤差を生じます。しかもシャッター速度については
受光素子に光が入ってから光が消えるまでですから、立ち上がりと立下りの時間その物が、ズバリ、誤差となります。

そこであらかじめこの時間を計測しておいてCPUのプログラム上で差し引けば、シャッター速度に関係なく正確な測定
が出来ることになります。この測定機製作の最大目標が先幕と後幕の計測であり、シャッター速度はおまけみたいな物
ですが、1000分の1秒のシャッター速度を1%以下で読み取りたかったから、というのが最大の理由です。
ただし、レンズシャッターの場合は開いて閉じての動作となり、開放口径や絞りに強く影響されるため、どれを持って正
確な速度といえるのか不明です。

カメラの修理をしている方は、結構、工作が好きな方が多いですね。

ご自身で製作したいという方のために部品組み込み済マイコンボードの製作を限定数依頼しようと考えております
が現在未定です(動作の確認はしますが、その後の配線ミスや組み立てミスで破壊する方がかなりいると考えます)
実際には電子工作の経験豊富な方でないと組み立ては不可能と思われますし、私からのサポートも出来かねます
第三級アマチュア無線技師以上の資格をもっていることを条件にしようかと考えていますが・・・・・。

各自のお好みに合わせて、ご自身で組む場合最低必要な物をリストアップしておきます

ケース 私は安定性などを考え、以前から使用しているタカチ電機工業のUCシリーズ UC15ー18ー28 を使用

電源  トランスと安定化回路を内臓しましたが、スイッチング電源や外付けACアダプター、電池の使用等

     PSEマークの問題もありますので現在製作の物はトランスは内蔵しておりません。
     外付けACアダプター(秋月電子NP15−1S1212)を使用するように仕様を変更しました。

光源  白熱電球等、(蛍光灯は不可。50Hzや60Hz等目に感じない点滅をしている物は点滅誤差を測ってしまう)
      尚、照明ムラを無くす為にはスポットランプやレフランプのピントはずしが簡単で有効ですが、位置決めの
     実験では、やけどに注意。又ケースに内蔵する場合は、かなりの排熱をしないと、他の部品を傷めます。

LCD又はVFD表示モジュール VFD(蛍光表示管)に関してはhttp://www.noritake-itron.jp/を参照ください

     アルミ板やアクリル板、スイッチ類、コネクター類、電線類、ヒューズとボックス、スペーサーねじ類、その他

加工するための道具(ドリルやハンドニブラー、金切りのこぎり、60W以上の半田こて、30W以下のセラミックタイプ
     の半田こて、出来れば20W以下が理想なのですが熱量が減る分操作が難しくなります、その他板金加工
     やアクリル板加工、電子工作に必要な道具)

マイコン処理の説明

IRQ0とIRQ1、それにタイマーVの3種の割り込みを利用してフォーカルプレンシャッターの先幕、後幕、シャッター
スピードを計測させる

これとは別にIRQ2の割り込みを利用してレンズシャッターの速度を計測する

フォーカルプレンとレンズシャッター及び縦走りと横走りの切り替えは機械的スイッチで行う
(マイコンに誤差も計算させて表示させるため)

表示はLCD (液晶) 20文字×4行。室温が低いところでの保管で液晶を凍らせると結晶化して表示できなくなる
可能性や、視認性の良さも考え、互換VFD(蛍光表示管)の使用も考慮する

幕速の表示はmS(ミリセコンド)

表示桁は一部4桁になる部分も出るが先幕、後幕の有効桁数は3桁 (桁数が多ければ良いと考える方も多いと
思いますが、例えば60分の1秒の露出時間の中の1万分の1や10万分の1秒は表示させても誤差なので無意味)

シャツター速度は1mS以下(1/1000)に関してはμS(マイクロセコンド),1mS以上はmSで表示。又、1/***と共に
表示する

カメラで1/8のように1桁になるシヤッター速度の表示については、mSから計算すれば有効数字となる確度を算定
できますが、計算の煩雑さや連続したデータの保存などを考えRS232Cを使用して外部へデータの送出を可能と
する

RS232Cを受信して8ビットのアスキーデータを処理できるウインドウズマシンで計算表示が出来る事

送出するデータは受け手側で加工する事を考慮し出来るだけ生のデータを送り出す。したがって精度にかかわり
なく多桁のデータが送られますが、有効桁数は3桁です

幕速度に関しては通常数10mS以下ですので最大4桁の送出になる

シヤッター速度は1/1000から最大6.5秒まで計測可能ですので桁数が非常に大きくなります。そこで100mS以下
は10μSを1単位とし,100mS以上は1/100として,1単位を1mSとした,最大4桁で6500mS (6.5秒) までの
データを送り出す

送出するデータは数字をアスキーコードに変換してさらに先頭に種別を付加するがSTX,ETX,BCCは付加しない

先幕はaf
後幕はbf
100mS以下のシャッターはsh
100mS以上のシャッターはqh
エラーはer

尚、試験機 (測定機、計測器、テスター) の回路、書き込むプログラム及びサンプルソフトのソースコードは非公開とします


この機械を現在 カメラのコセキ フォトテック一番町店に置いて、現場でテストも兼ねて使用して頂いております
(こちらの想定外の使用方もありえますので) 興味のある方、自分のカメラのチェックをしたい方はシャッタースピード
測定実験を、お店にて試みてください

早速言われたのはM 型ライカのみ、センサー部が大きすぎて使えないということでした。センサー部の上部を小さく
して、ぶつからないよう製作中です。(M 型のフィルムゲート上部が狭い。想定外の1です)

日本判 (ミノルタ35やニコンS等) やオリンパスペンFシリーズはレンズシャッターポジションに切り替えれば幕速は
計測出来ませんが、スピードのみの計測は可能です
L 型ライカやコピー物 (ニッカやレオタックス等) は当たり前の事ですが、ボディの外殻をはずして計測します

レンズシャッターについて

※昭和40年代に読んだアサヒカメラ、カメラ診断室の記事の記憶からレンズシャッターは正確な測定は困難というの
が私の頭にこびりついています。これはシャツターの動作の仕方が異なるため。つまりフォーカルプレンは、光をスパッ
と切り裂くように同一方向に走るのに対して、全閉〜徐々に開き〜全開〜徐々に閉じ〜全閉という動作をするのがレ
ンズシャツターです。この差が・・・。という曖昧な記憶です。どういうことかと言うと、シャッターの開き始めた、絞り値で
言うところのFいくつを開始点と閉じる間際のFいくつを終了点とすれば良いかということです。
通常の35ミリカメラは16か22ですが、大判は32や64等というのもありますし、詳しい理論は専門の先生の記事を参
照ください。
つまり、上記の記事からすると、この機械のレンズシャッターの測定は簡易測定となることをご了承ください。
受光素子や電子部品等の高速化や感度アップで解決できる問題なのかは判りません。
たぶんフイルムとの絡みもあると思います。(勉強不足で申し訳ありません)

思い違いについて

尚、以前の事ですが、カメラ側の設定が1000分の1秒に対して、測定機の表示が930分の1秒しか表示されない。
測定機が誤作動しているのでは無いかと言う方がおりました。これは本末転倒です。カメラのための測定機なのか、
測定機のためのカメラなのか、よく考えれば理解できるはずなのですが・・・・・・・。クラシックカメラの場合1,000の
設定表示で本当に1,000分の1出る機械はほとんど在りません。ばねの力を利用して働かせるメカニカルシャッター
を、常に長期間同じ状態に持続させるというのは不可能です。又、技術力も必要とします。実際に計測すると判るので
すが,必ずバラツキが出ます。

上記の方のカメラは立派です。充分に1,000分の1秒の許容の中に入っています。昔のアサヒカメラのカメラ診
断室のデータを見ても700〜900分の1の間に入っている機械が多いということも事実です。(600以下もあった
が、これは異常)。これはどういう事かというと、フォーカルプレンシャッターは先幕と後幕との絶妙なバランスで動
作しています。このバランスが崩れるとトラブルになります。つまり無理をして1,000分の1を出さず、長期間安定
して動作させるための余裕、と解釈してください。フィルムのラチチュードと一緒で許容範囲 (ライバルメーカーに自
社の技術力がわかってしまうため、皆、企業秘密としていた) もあります。

自分のカメラの表示が1,000や500だからきちんとそのスピードが出ていると信じ込むのは大きな誤りですし,最
高速度は若干落ちても、常用スピードの250〜30分の1が常に安定して出ている事のほうが大切です。

誤差は少ないに越したことは無いのですが、個人的に±5分の1〜4分の1の間に入っていれば良いと思っています。 .
±1〜10%も根気良く調整すれば可能ですが経時変化も考えると、後日のトラブルの元(先幕,後幕のバランス崩れ
による露光ムラや、幕のバウンドによる画面端の二重露光、等)を抱えることにもなります。何事も程々が大切です。
(クラシックカメラなのですから)

調整時大切なこと

もうひとつは、スピードばかりに目が行きがちですが、大事なのは幕速です。速過ぎるのはそれだけシャッターに
テンションをかけ過ぎているということです。リボンや幕の破断,テンションスプリングの折損,軸の片べりや曲がり等
シャッターの寿命を極端に短くしますし、ストロボX接点の同調速度も狂ってきます。例えば500までは大変良いので
すが、1,000にすると1,500前後を測定機が表示する場合、喜んでばかりはいられません。後幕が速過ぎるのか
先幕が遅過ぎるのかです。すでにバランスが崩れています。いつ画面の半分に未露光部のあるコマや未露光のネガ
が出現してもおかしくありません。この時に幕速度が見れれば調整がぐっと楽になります。又,カメラ側の表示が500
や1,000の時、測定機側の表示がエラーや147分の1等と、とんでもない数字が出た時は、カメラを測定機からはず
してシャッターの動作具合を目視で確認すると、閉じたまま走行しているか、未露光部分を作りながら走行しているの
が確認できます。さらに、X接点のスピードは、ストロボとの同調の余裕を見て、ほとんどのメーカーはカメラの表示より
も遅いスピードを設定しています。(測定機で見るとこの部分だけ若干遅いので良く判ります)

愛機を末長く使用するために,くれぐれも調整時に幕速度を上げ過ぎないように、又それ以前に清掃注油をして各部
の動きを滑らかにしてから調整にはいるようご注意ください。

※油のつけ過ぎは別の故障の引き金になります。つけ過ぎには特にご注意ください。清掃注油後測定すると、他人が
手を入れた物 (注油せず幕速だけ上げた物、等) は別として、調整の必要の無い機械がたくさん存在するのも事実です。
これも測定機が有ればこそです。

以前製作の7セグメントLED表示の機械に比べて、シャッタースピード調整が格段に楽になりました。マニアぶって旧機能
にこだわるより簡単に出来るにこした事はありません。今になって反省しています。前機が有って始めて判る事ですが・・・。

余談です

余談になりますが,皆さんはこのての機械を何と呼びますか。日本人の使う呼称で考えると10以上在るでしょう。
私は今回外国語式の表現を使ってシャッタースピードテスターとしてみましたが、これの組合せを変えて表現すると、
シャッタースピード試験機、シャッタースピード測定機、シャッター速度試験機、シャッター速度測定機、シャッター速度
テスター、シャッタースピード計測器、シヤッター速度計測器、シャッターテスター、シャッター試験機、シャッター測定機、
シャッター計測器、その他の漢字、言葉の組合せ(レンズやフォーカル、器、機等)、人によって呼び方が色々変わる物で
す。恐らく,どれが正しいというのは無いと思いますが・・・・・・。

測定機の測定機

この機械の表示が正確かどうかチェックする方法も考えました。最新の高性能カメラで計測すればほぼ間違いはないと
思いますが、いかんせん機械的なチェック方法では限界があります。
そこで専用の測定機を製作しました。
下の写真の基板がその測定機です。
原理的には基準となる周波数(時間)を高精度水晶発信器で作り出し、これをロジック回路で必要な信号に変換します。
この信号により発光ダイオードを規定どおりの時間とタイミングで点滅させます。
どういう事かと言うと、測定機のセンサーに擬似的に露出されたと同じ光の信号を送り出せば良いだけです。
つまり、この機器は擬似的なシャッタースピードを作る機器ということです。
これによりシャッタースピードテスターの回路上の動作確認は完璧に行えます。
ただしセンサーの物理的な寸法精度による誤差については、この測定機では計れません。
(これについては様々なノウハウが有りますが、ここでは割愛いたします)
機器の精度を確保するために、発信器にはTCXОを使用し調整には標準電波を使用しました、基準周波数の精度は今使われ
ているクオーツ制御のカメラと比べれば格段に高精度です。(実際に、この様な機器に使うには勿体無いほど高精度です)
発生できるシャッタースピードは1/1024秒 〜 1.0秒を11段階で選択できるようにしました。
この機器は一般の方には全く無用の物と言えると思います、実際には私専用としてワンオフで製作した物です。
興味のある方は動作原理を考えて作って見られるのも一興かと思います。
(ロジックのみでプログラムも要りませんから写真からある程度は判断できると思います。)





実機による動作チェックには、F3、F4、α-9、EOS1、newF1、pentaLX、kowaSETR2、topconUNIREX、各機を使用しました。

追記  6×6 645 に関しては SL66SE、6006、ECTLU、PENTA645、IKOFLEXファボリット、各機を使用しました。

尚,完成品の使用感やお持ちのカメラのチェック,入手したいというお問い合わせは
 カメラのコセキ フォトテック一番町店
                     022-222-3560
増子さん、又は阿部さんまでお願いします


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